DHA・EPA

DHA・EPA

青魚に多く含まれている成分で、健康や美容に役立つ成分として注目されています。DHAもEPAも同じような働きがありますが、実はそれぞれの働きにも違いがあります。

いつまでも健康で元気でいるためにも、意識して摂取したい成分です。今回は、DHAとEPAについての豆知識を紹介します。

01DHAとEPAって何?

DHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)は脂質の一種です。脂質は「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」の二つに分けられ、飽和脂肪酸は中性脂肪やコレステロールが増える原因とされ、不飽和脂肪酸は健康維持に役立つ脂肪酸として注目されています。不飽和脂肪酸はさらに細かく分類され、一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸(n-3系不飽和脂肪酸、n-6系不飽和脂肪酸)に分かれます。DHAとEPAはn-3系不飽和脂肪酸に分類され、これは「オメガ3」とも呼ばれています。

02DHAとEPAの働きと違いは?

DHAとEPAはサラサラ成分で、血の巡りをサポートするという共通の作用がありますが、作用する個所に違いがあります。また、悪玉コレステロールや中性脂肪を減少する働きで、生活習慣病予防にも役立てられています。

DHA

DHAは、血管の細胞を柔軟にすることで、血管が広がりやすくなり、その結果、血液の流れがよくなる働きがあります。また、免疫力アップのサポートにも役立ち、さらには、脳神経を活性化し、脳の機能をサポートすることが期待されています。

EPA

EPAは、血液中の成分に作用します。特に血管の中に血栓ができるのを防ぎ、血液の流れをスムーズにする働きがあります。また、GLP-1という、肥満予防にもなる消化管ホルモンの分泌を促す働きがあります。

03体内で作れないので摂取が必要

脂肪酸の中には、体内で合成できないものがあり、それを必須脂肪酸といいます。DHAとEPAも必須脂肪酸であり、体内で合成できないため、食事での摂取が必要になります。

DHAとEPAは、魚の中でも特にさんまやさば、いわしなどの青魚、まぐろの脂質に多く含まれています。近年では、食の欧米化が進み、魚の摂取量が減少しているため、食事で積極的に摂取しなければいけません。

ただし、過剰に摂取するとケガをしたときに血が固まりにくくなってしまうというデメリットがあるので、あくまでもバランスよく摂取し、1日の摂取目安量を知っておきましょう。

n-3系脂肪酸の摂取量(g/日)
年齢 男性 女性
30~49(歳) 2.03 1.59
50~64(歳) 2.16 1.85
65~74(歳) 2.23 1.99
75以上(歳) 2.09 1.83

(出典:厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年度版)より抜粋)

04缶詰を使えば調理も簡単

魚を一匹さばくのは手間が多いので、切り身を買う人も多いでしょう。でもグリルで焼くと後片付けが大変。という方は、缶詰を使ってみてはいかがでしょう。あらかじめ味付けしていたり、骨まで食べられるように柔らかくなっているので、そのままはもちろん、味付けや柔らかさを活かして、例えばスープやカレー、パスタといったアレンジ料理も楽しめます。さらに缶詰は、生魚よりも皮や骨などの廃棄部分が少なく、もともとの栄養のロスも少なくできるため、生魚よりも効率よく摂取できます。栄養を無駄なく摂取できる缶詰をぜひ活用してはいかがでしょうか。

DHA・EPA含有量(mg)※可食部100gあたり
さば
  DHA EPA
970 690
缶詰/水煮 1300 930
いわし
  DHA EPA
870 780
缶詰/水煮 1200 1200

(出典:文部科学省 日本食品標準成分表2015年度版(七訂)より抜粋)

協力:早稲田大学 ナノ・ライフ創新研究機構 規範科学総合研究所ヘルスフード科学部門 部門長 矢澤一良
住所:〒162-8480 東京都新宿区若松町2-2  早稲田大学先端生命医科学センター
HP:http://www.hfd-project.jp/index.html