グリーンアスパラガス

グリーンアスパラガス

今回取り上げるグリーンアスパラガスは、塩ゆで、ベーコン巻きなど簡単な調理でおいしく、彩りもよいことから人気があり、1年をとおして流通しています。5~6月に国内産の出荷がピークを迎え、国内産が減る秋から冬にはメキシコやオーストラリアなどから輸入されています。

1. 栽培の歴史

アスパラガスは、南ヨーロッパからウクライナが原産地といわれています。古代ギリシャ時代から栽培され、ヨーロッパに広がりました。
日本には、江戸時代にオランダ人によって主に葉を楽しむ鑑賞用として伝えられました。食用としては大正時代に北海道で栽培が始まりです。
戦前は、アスパラガスといえば缶詰用のホワイトアスパラガスでした。現在では、健康志向の高まりとともに栄養価が高い生食用のグリーンアスパラガスが流通の大半を占めるようになりました。

2. 栽培方法

ホワイトアスパラガスとグリーンアスパラガスは、同じ品種ですが、栽培方法が異なります。ホワイトアスパラガスは、若芽に光があたらないように盛り土をし、芽が地上に出ないうちに切り取ります。光をあてて育てれば、色鮮やかなグリーンアスパラガスになります。

3. 栄養と機能性

太陽を浴びて育ったグリーンアスパラガスは、ビタミン類を豊富に含みます。特に葉酸を大量に含むので、貧血気味な人にはお勧めです。
穂先の部分には、アスパラギン酸やグルタチオンというアミノ酸の一種が含まれています。
アスパラギン酸には、新陳代謝を高め疲労回復に効果があります。アンモニアを尿として排出する作用もあり、イライラや不眠症を防ぐ効果も期待できます。さらに抹消血管を拡張して血圧を下げるので、高血圧の改善や動脈硬化の予防にも効果があります。
グルタチオンは強い抗酸化力があり、シワやたるみなど老化を防止する効果が期待できます。

4. 新鮮なグリーンアスパラガスの選び方

(1)穂先から傷みやすいので穂先が硬く締まりピンとしていること、
(2)根元の切り口がみずみずしいこと、
(3)緑色が鮮やかなこと、
(4)茎がまっすぐに伸び全体に張りがあることが、新鮮なグリーンアスパラガスを選ぶポイントです。

5. 保存方法

アスパラガスは鮮度の劣化が早いので、できれば買ったその日のうちに食べきってしまいましょう。
保存する場合は、ラップで包み冷蔵庫の野菜室に入れると1~2日保存できます。この場合は、立てて保存します。アスパラガスは横にすると穂先が起き上がろうとしてエネルギーを消費し、鮮度が早く落ちてしまいます。

6. ゆで方

アスパラガスは先端にいくほど柔らかいので、ゆでる時は根元からゆっくりお湯に入れて、1分くらい経ったら全体を入れます。こうすると全体が同じくらいのゆで加減になります。
また、根元の皮が硬いようなら、皮むき機か包丁で根元の皮をむいてから調理するとよいようです。

協力 : 独立行政法人 農畜産業振興機構
ホームページ : https://www.alic.go.jp/