バター

バター

こんがりと焼いたトーストにバター。ふかしたアツアツのじゃがいもにバター。私たちの身近にある代表的な乳製品ですが、実は知っているようで知らないことも多いのではないでしょうか。今回は、そんなバターについての豆知識を紹介しましょう。

1. バターとは?

牛乳に含まれる乳脂肪を集めて練って固めた乳製品のことをいいます。黄色味を帯びた乳白色の固体で、成分は乳脂肪分80%以上、水分17%以下と定められています。ビタミンAをはじめ、各種ビタミンや栄養素を含んだ食品です。ちなみに、100グラムのバターを作るために、原料乳は約4.8リットルを必要とするといわれています。
なお、バター(butter)の語源は、ラテン語のbutyrumを元とし、牛のチーズを意味するギリシア語boutyronに由来するとされています。

2. バターの歴史

バターは、ヨーグルトなどの発酵乳と並んで乳製品の加工食品としては古い歴史をもっていますが、その起源は定かではありません。古くは紀元前4千年のイスラエルの遺跡から、バターを作ったとみられる土器が出土したほか、紀元前2千年頃の古い経典にもバターらしきものが作られていたという記録があります。さらに旧約聖書にもバターに関する一節が記されており、古くからバターが作られていたことがうかがい知れます。
バターといえば、現在は食用ですが、古代ギリシアやローマ帝国時代には、主に医薬品や化粧品として用いられていました。食用としての利用は紀元前60年頃のポルトガルが最初といわれ、その後フランス、ベルギー、ノルウェーとヨーロッパ各地に広がったといわれています。
日本におけるバターの始まりもはっきりとしていません。飛鳥時代(6世紀頃)に仏教とともに乳を利用する文化が渡来し、朝廷の貴族たちの間に広まったとされています。わが国最古の乳製品とされる蘇(そ)は、現在のバターともチーズともいわれています。私たちが現在口にするバターが本格的に広まったのは、明治時代に入ってからです。明治5年に東京麻布の官園実習農場でバターが試験的に作られたのを始めとして、明治18年に東京麹町の北辰舎がバター製造機器を導入し、本格的なバター生産が開始されました。

3. バターの魅力

牛乳のクリーム成分から作られるクリーミーで口どけのいいバターの魅力は、料理から菓子にいたるまで、さまざまな分野で使える汎用性の良さにあります。
動物性の脂なので、少量使用するだけで深いコクを楽しむことができ、日本人にとって代表的な調味料「醤油」と合わせ「バター醤油」とすることで、鼻孔をくすぐり、食欲を大いに刺激します。また、バターを使用した菓子は、その香りをまとって風味を倍増させます。加えて、焦がしたり、溶かした上澄みだけを使ったりと、その使い方もさまざまです。

4. バターの種類

さまざまな料理に使われるバター。しかし、バターの種類の違いを意識することはほとんどないのではないでしょうか。バターは製法2種類、成分の違い2種類が組み合わされており、それぞれ香りや味わいが異なります。

製法の違いによる分類
  1. 発酵バター
    原料となるクリームを乳酸発酵させて作ったバターで、特有なコクや香りがあります。ヨーロッパではこのタイプのバターが主流です。国産もありますが、輸入のバターが人気です。
  2. 非発酵バター
    乳酸発酵させないクリームを原料としたバターで、クセのないのが特徴です。日本で市販されているバターは、このタイプが主流です。
成分の違い
  1. 有塩(加塩)バター
    風味を良くし、保存性を高めるために、製造中に食塩を加えたものです。家庭で使うバターの多くはこのタイプで、添加する食塩の量は2%程度です。
  2. 食塩不使用バター
    主に製菓用や調理用に利用されます。食塩が入っていないので、保存期間は有塩のものよりも短くなります。かつては無塩バターといっていましたが、栄養表示基準が定められ、加塩せずに製造しても生乳に由来するナトリウムが基準以上に含まれていることから、現在では食塩不使用バターと表示されるようになりました。

4. バターは健康にいい

バターにはビタミンAが豊富に含まれています。ビタミンAは、成長に欠かせない栄養素で、皮膚や粘膜を健康に保つ働きがあります。加えて抗酸化作用(活性酸素を抑え、体の老化や酸化を防ぐ作用)も併せもち、老化を抑える効果も期待されます。ちなみにバターの色が黄色味を帯びているのはビタミンAのカロテンの色。牛が食べる牧草に含まれているので、放牧牛から搾った牛乳を原料としたバターの方が、通常目にする市販のバターより濃い色になるのだそうです。
バターには、そのほかビタミンDやビタミンEも含まれています。そしてバターは水分が2割あるので、精製された植物油よりも2割エネルギーが低いです。バランスよく摂取することで、若さと健康を保ちましょう。

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