ラグビー

ラグビー

楕円形のボールを持って走り、インゴールにボールを持ち込んで得点になる。ボールを持っている相手をタックルして倒し、ボールを獲りかえすチャンスを得る。体と体がぶつかり合い格闘技のようにもみえ、試合は「ノーサイド」といって終了する。ラグビーには細かく厳格なルールがあり、独特の用語があるスポーツです。今回はラグビーについての豆知識を紹介します。

1. 歴史

1823年にイングランドのパブリックスクールのラグビー校で、まだラグビーやサッカーに分かれる前の原始フットボールの試合中にウェブ・エリスという名の少年がボールを手に抱えたままゴールへ走り込んだプレーがきっかけとなり始まったといわれています。発祥校の名前をとりラグビーフットボールと呼ばれるようになり、1871年にイングランドのクラブがRugby Football Unionを設立して統一ルールを定め、競技として確立されました。日本へは1899年に田中銀之助氏がイングランドのクラーク氏とともに慶応義塾大学の学生に教えたのが最初といわれています。ちなみに、1987年以降、4年に一度開催されているラグビーワールドカップの優勝国に与えられるトロフィーはエリス少年の名前から「ウェブ・エリス・カップ」と呼ばれています。

2. ノーサイドの意味

単に試合終了を意味するだけであれば、他の表現の方が分かりやすいはずです。試合中は敵・味方両サイドに分かれて戦ってきた選手たちが、試合終了の笛が鳴れば敵・味方を分けていたサイドなしに同じラグビーを愛する仲間として双方の健闘を讃え合うのが「ノーサイド」という言葉に込められた精神です。ラグビーにおいては、勝敗についてこだわりをもつことは当然ですが、それ以上に正々堂々と試合を行ったかにもこだわりをもち、非紳士的な行為は選手として最も恥ずべきこととされています。

3. ノックオン、スローフォワード

ノックオンとスローフォワードは考え方としては同じ反則といわれています。ラグビーではボールを後ろにパスしながら前に進まなければならないルールがあります。前にボールを投げる反則がスローフォワード、ボールを前に落とす反則がノックオンです。真下に落としたり、後ろにそらしたりした場合は反則ではありません。

4. なぜ、ラグビーはフットボール?

ラグビーの正式名称はラグビーフットボール(Rugby Football)といいます。ラグビーでは区域内に持ち込んだボールを攻撃側が地面につけると得点になりますが、サッカーのようにゴール(Goal)ではなくトライ(Try)と呼びます。その後、持ち込んだ地点から、タッチラインに平行に下がったところからゴールキックをします。昔のルールではトライだけでは得点とならず、トライ後のゴールキックが成功して、初めて得点になりました。当時はトライはゴールキックを狙うための「試み(Try)」とみなされていたということです。ノートライのチームがペナルティキックだけで勝利することもあり、ラグビーは今も「フットボール」としての側面を残しています。

5. ボールについて

球技と呼ばれるスポーツで、ボールが球でないことは珍しいです。ラグビーボールは予想外の方向にはずみ、勝敗の行方を左右することがあり、ままならぬ人生に例えられることもあります。初期のラグビーは革製の丸いボールを使用していましたが、中のチューブにブタの膀胱を使っていたため形は不揃いで、これがラグビーボールが楕円形になるきっかけとなったという説があります。ラグビーボールはその後、持ちやすく投げやすいように少しずつ改良され、現在は雨天時にも水を吸って重くなることがないゴム製のボールが使用されています。

6. ラグビーワールドカップ

ラグビーの世界一を決定する大会でニュージーランドとオーストラリアの共催で第1回大会(1987年)が行われて以降、4年に一度開催されています。大会規模は開催ごとに大きくなっており、第6回目(2007年)では220万人の観客を動員し、テレビ視聴数は全世界で42億人でした。これはFIFAワールドカップ、オリンピックに次ぐスポーツイベントの規模となります。2019年大会は日本で開催されることが決まっています。

協力:公益財団法人ラグビーフットボール協会
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