シッティングバレーボール

シッティングバレーボール

2018年の平昌(ピョンチャン)冬季パラリンピックでは、日本人選手は10個のメダルを獲得しました。2020年の東京パラリンピックでは22競技が行われます。その中に座った姿勢で行うバレーボール競技があります。それがシッティングバレーボールで、障害がある人もない人もともに楽しむことができるバレーボールです。今回はそのシッティングバレーボールをご紹介しましょう。

1.座ったままバレーボール?

そうです。シッティング(座ったままで、または座ることの意)バレーボールは、床に臀部(でんぶ)*の一部が常に接触したまま行うバレーボールです。
サーブ、ブロック、アタックなどで立ち上がったり、飛び跳ねたりすると反則になってしまいます。
6人制のバレーボールと同じく、1チーム6人で行います。コートの広さは一般のバレーボールコートよりも狭く、ネットの高さも座位で行えるよう低く設定されています。
一般的なバレーボールと同様にサーブ権の有無にかかわらずポイントが加算されるラリーポイント制で行われ、1セット25点を3回先に取ったチームが勝ちです。5セットまで行われ、最後の5セット目は15点先取で行われます。

  • ここでいう「臀部」とは「胴の後方」のことであり、肩からお尻までの部位をいいます。

2.いつごろから始まったのか

障害の治療やリハビリテーションのためにスポーツが導入されたのは1944年までさかのぼります。また、シッティングバレーボールは、1956年にオランダで戦争によって体が不自由になってしまった人々により、動きの少ない“シットボール”と“バレーボール”を組み合わせてつくられたスポーツです。
シッティングバレーボールが一般に関心を集めるようになったのは、1957年に大会を開催したことが影響しています。この大会のためルールやコートの広さ、ネットの高さなどが決定されました。それ以来、シッティングバレーボールは選手や試合をとおし、競技スポーツとして成長してきたのです。
また、シッティングバレーボールは障害者や膝、足首などにけがをした人やけがをしていない健常者のバレーボール選手たちによって今も成長しています。

3.1980年にパラリンピックの正式種目に

1980年、ついにパラリンピックの正式種目となり、そのスピード感と興奮、障害者の選手たちの競技精神が見る側の人にも伝わり、多くの人が一緒に楽しめるようになりました。1983年には世界選手権も開催され、世界へと広がっています。
ちなみに、日本では1992年にシッティングバレーボールのチームが結成され、その後、世界選手権やパラリンピックで入賞を果たしています。2016年に韓国の済州(チェジュ)島で行われた「アジアシッティングバレーボール大会」では、男女ともに優勝しました。

4.シッティングならではのルール

  1. 競技者の位置
    競技者の位置は、その臀部の位置によって決定され統御されます(手足はアタックゾーンやコート外のフリーゾーンにあってもよいことを意味します)。
  2. スパイク
    競技者は、アタックヒット(スパイク)をする場合に、臀部をコートから浮かしてはなりません(「リフティング」といいます)。
  3. ブロック
    前衛は、相手チームのサービスをブロックすることができます。ブロックを行うときは、競技者はコートから臀部を持ち上げることはできません。
  4. レシーブ
    レシーブの時、短時間であれば臀部の離床は許されます(その「程度」は審判員の判断に任されますが、立ち上がりや歩くことは禁止されています)。

5.体験したい人は

協会主催・協力で関東を中心に教室などのイベントを開催しているので、積極的に参加してみてはいかがでしょう。
健常者のみでチームを結成することもできます。なお、大会への参加は、白馬大会(2018年から名称を夏パラバレーボール選手権大会)以外の協会主催大会に参加する場合、協会への登録が必要です。
また、協会登録チームに入りたい人は、最寄りの地域のチームを協会が紹介しています。

協力:一般社団法人日本パラバレーボール協会
住所:〒110-0015
東京都台東区東上野3-28-4 上野スカイハイツ204
HP:http://www.jsva.info/