スポーツ雪合戦

スポーツ雪合戦

ウィンタースポーツというと、主にヨーロッパ生まれのスキーやスケート、カーリングなどを思い浮かべる方が多いでしょう。実は、日本生まれのウィンタースポーツがあるのです。それが、雪合戦をスポーツ競技にした「スポーツ雪合戦」です。一見、簡単に見えるルールの競技ですが、頭脳や体力、チームワークが必要なスポーツです。今回は、日本生まれのウィンタースポーツ、「スポーツ雪合戦」についてご紹介します。

1. スポーツ雪合戦とは

1988年に日本で生まれた新しいスポーツで、7人でチームを組み、相手チーム全員に雪球を当てるか、相手コートにあるフラッグを取るかで勝敗が決まりますが、障壁や入ってはいけないゾーンがあるなど、非常に戦略を求められるスポーツで、近年、競技人口も増えています。

2. スポーツ雪合戦の広がり

1989年には、第1回昭和新山国際雪合戦が70チームが参加し開催され、それ以降、競技ルールや用具の改良、競技性の向上を図ることで、雪合戦はスポーツとして着実に進化してきました。
1993年に日本雪合戦連盟が設立され、1995年には海外初となるフィンランド連盟が発足し、それ以降1997年ノルウェー、2006年ロシア、2007年オーストラリア、2008年オランダ、2009年スウェーデン、2011年カナダ、アメリカ、2012年ベルギーと世界各地に連盟が発足し、大会も開催されています。
現在では、日本雪合戦連盟の公認大会を勝ち抜いた選手・チームを一堂に集めて「雪合戦日本一」を決める「日本選手権大会」が毎年長野県白馬村で実施されています。

3. 競技方法

競技は2チーム対抗方式で行われ、3セットマッチ(1セット3分間)で、2セット先取したチームを勝ちとします。
チーム編成は、試合出場選手7人、補欠選手2人、監督1人の10人を基本としますが、最低7人でも競技に参加できます。
競技者はフォワード4人、バックス3人で構成され、競技時間内に雪球を相手チームの競技者に投げて、雪球が相手の着衣や体にノーバウンドで触れたとき、その相手はアウトです。
また、フォワードが自陣バックライン後方に入った場合もアウトとなります。バックス3人はコート内を自由に移動できますが、競技者がセンターラインを越え相手コートに入ることができるのは、フォワード、バックス合わせて3人以内で、4人以上入った場合、そのチームはセットを失います。さらに、競技者が競技エリア外に出たときもアウトとなります。

コート内には、七つのブロックが置かれ、そのうち自陣の後方のブロックをシャトーと呼び、その後方に雪球が置かれています。また、双方の陣にチームフラッグを立てます。
使用できる雪球は、1セットに90個です。スタート時に競技者は、手に雪球を二つ持って、バックラインに並びます。また、後方のシャトーにある雪球をフォワードの選手に供給する際は、選手の足元に置くか、手渡しです。投げ渡した雪球はキャッチした時点で受け取った選手がアウトとなります。

4. 競技の醍醐味

敵の雪球から身を守るのはシェルターと手に握る雪球のみです。シェルターに身を潜め、攻撃のチャンスをうかがいます。
敵陣のフラッグを奪いに行くか、雪球で敵を倒し、判定に持ち込むのか、またむやみに雪球を投げれば、すぐに球切れとなりますし、雪球の供給方法に制約があります。フォワードが自陣のシャトーに雪球を取りに行けないからです(フォワードが自陣バックスライン後方に入ったらアウト)。バックスがシャトーに雪球を取りに行き、シェルターに身を潜めるフォワードの足元に置くか、手渡しのみです。
強い精神力と瞬時の状況判断力、そして巧みな戦術を生み出す知力が求められます。
取得セット、取得ポイントが同じになった場合は、ビクトリー・スロー(VT)合戦(台の上に発泡スチロールの小さな雪だるま等を置き、それを標的に両チーム5人がそれぞれ雪球を投げ、標的を投げ落とす)で試合の勝敗を決めます。
ルールブックが一般社団法人日本雪合戦連盟HPより購入できますので、興味のある方はご参照ください

協力:一般社団法人日本雪合戦連盟
住所:〒380-0921
長野県長野市大字栗田202-10 リーベ若里102
HP:http://jyf.or.jp/