太極拳

太極拳

太極拳といえば、広場で大勢が身体を動かしている光景を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。太極拳は武術ですが、現代では呼吸法を用いて身体を動かし、健康を維持することを目的とした健康法として普及しています。 健康法としての太極拳は、呼吸を意識しながらゆっくりと身体を動かすため、年齢を問わず、体力に自信のない人でも取り入れることができます。今回は、太極拳で得られる健康効果や、魅力を紹介します。

01 太極拳の流派

 太極拳には、楊式、陳式、呉式、武式、孫式と主に五つの流派があり、それぞれに異なった風格を持っています。太極拳の起源には諸説ありますが、「太極拳」という名称は、1852年に中国河南省で「太極拳経」という文献が発見されてから定着したといわれ ています。この文献が武式、楊式の門派に伝わり、その後広まる中で整理・改変が行われ、太極拳の基ができたといわれています。
 中国では、自分の健康は自分自身で管理するのが当たり前とされており、その中で太極拳や気功といった健康法が生み出されて きました。
 1956年には、楊式太極拳をベースに、24の型にまとめた簡化二十四式太極拳が、中国国家体育運動委員会によって制定され、現在日本でも広まっています。

02 太極拳の目的

 太極拳は、自然に自分を委ねて調和し、バランスを取っていく思想を背景に持っています。そのため、技や筋肉を鍛えるためのものではなく、呼吸法にのっとって内面の「気」を養い健康を維持することが主な目的です。ですので、体力に自信がなくても、年齢によ る体力低下など関係なく、誰にでもできる運動です。中には90歳で初めて太極拳を始めた人もいるそうです。
 健康を目的とした太極拳は競争や競技ではなく、自分自身の健康のために行うものです。ゆっくりと深い呼吸で自分の気を巡らせるように、柔らかく体を動かし、その動きと調和するように、動き続けることで心身を落ち着かせ、良い気の流れを作っていきます。 高齢になっていたとしても、その年齢や体力に合った心地よさや身体の緩やかさを感じられることができるのです。

03 太極拳のポイント

  • 姿勢を整える
  • 陰陽のバランス
  • 心・息・動の一致

 まず は、天と地に向かって身体がのびやかに伸び、足元はしっかりと安定させる。下半身に重心を置いて上半身の力を抜くことで肩の力が抜け下半身も安定するようになります。そうすると身体の重心が整いバランスを崩さずに一連の動きができるようになります。
  は、 のリラックスした上半身と充実した下半身を保つことで、心が調和していき身体のバランスが取れるようになること。ただ型を真似るのではなく、 心を込めることで自然とバランスが整っていくことをいいます。
  は姿勢とバランスが取れ、リラックスした状態で動き始めたときに、力を抜くことで柔らかい動きにつながり、それが深い呼吸につながります。呼吸が心と身体をつないでいくイメージを持つようにすることです。この三つのポイントが太極拳の基本としてあります。

04 転倒防止にも役立つ

 いくつになっても始められる太極拳ですが、特に高齢者にお勧めしたいのが、転倒防止にも役立つということです。
 太極拳の24の動きは、筋肉や関節を柔軟に使いながら上下・前後・左右のバランスが自然と取れる動きになっています。中心を崩 さず、体中の筋肉や関節を動かしていくことで、足腰が丈夫になり、転倒防止に役立てることができるのです。医療の現場でも、筋力が衰えた人に太極拳が治療のプログラムに取り入れられることもあるそうです。また、心・息・動の一致によって、精神面でも良い状 態にするということも分かってきています。
 新型コロナウイルスの感染拡大で心身のバランスの乱れが気になっている人も多いのではないでしょうか。太極拳で心身ともに健康維持をめざしてみませんか。

協力: 特定非営利活動法人 日本健康太極拳協会
住所: 〒101-0054 東京都千代田区神田錦町2-5-10
HP:https://www.taijiquan.or.jp/